そう言ってパチリと音が聞こえてきそうなウィンクをくれたリオに身体中が熱くなり、高揚感が溢れ出て来た。
リオの思惑通り、テンションが上がりっぱなしになった。
「華子さん。とってもいい顔になってる」
隣で声がして、振り向くと、シックな私服に着替えたタモツが隣の席に着いていた。
「タモツさん」
「今夜、華子さんさらっても、僕にはこんな顔させられないかも知れないな」
首を思い切り振って
「そ……そんなことないです。ただ、こんなパフォーマンスは、初めて見たので、驚いているだけです」
「でも、今は冷静に色んなこと考えられそうに見えるけど」
「はい。少し、気持ちがすっきりしてます」
「ったく……酷い男だよ。こいつ」
そう言いながらリオが今度はタモツの眼の前に琥珀色のカクテルを差し出した。
「Orgasm ね」
バキッ
そう言いながらカクテルを出したリオの頬にタモツの拳がめり込んだ。
「クソ……絶対、俺にこれ出すと思ってたんだ。映画でさえカットされた名前のカクテルをだすんじゃねえ。捻りの無い男だな。てめえは」
「ゴヘン……タモ」
リオが綺麗な顔を歪めながらそう謝った。
すると今度は周りのホストたちから
「Orgasm!」
「Orgasm!」
「Orgasm!」
と、手拍子をしながらコールが沸き上がった。
これもきっと、リオの思惑通りだ。
「あいつ……覚えてろよ……」
さっきまで上品に笑っていたタモツが、急にリオ相手に怒りだした。
どうやらタモツはリオの前だと、素が出てしまうらしい。

