バーテンダー


「リオは相変わらず我儘だし」


「始めやがれクソ野郎」


「それでも来てしまう俺らって優しいよな」


毒舌を吐きながらも、リオに拍手を送る。


それに答えるように、ボトルを三本空中に放り投げては、キャッチを繰り返えす。


わたし一人じゃ、こんなに場を盛り上げることは出来ない。


リオはさっき、この場を盛り上げて貰う為にこのホストたちをバ―に呼んでくれたんだ。


こんな、沈みきったわたしのテンションを上げる為だけに……


軽やかに見えるが、かなり筋力を要する動きにハラハラして、リオから目が離せなくなった。


まるで生きているかのように、リオの背中や肘の上を転がる銀カップ。


落ちそうで落ちないカップに歓声が沸き上がる。


ニコニコとリズムに合わせて笑いを振りまくので、わたしでも簡単に出来てしまうのではないかと、錯覚すら起こしそうになるリオのパフォーマンス。


ボトル一本の重みは相当なはず。


それを空中に放り投げるのだから、女の細腕では簡単には出来ないだろう。


酔った頭で、そんなことを考えながら、ただ、スツールに腰掛けたまま、回りのリズムに合わせて手拍子を打っていた。


そして、リオが出来あがったカクテルをサッとカウンターの上を滑らせ、わたしの眼の前に置いた。


ピンク色がかったオレンジ色のカクテル。


「Sex On the Beach ね」