「うん。うん。そう。だからさ、直ぐ来てよ」
『……』
「そうそう。ほんと、ガッラガラのバ―だから。俺、テンション下がるし」
『……』
「おう。サンキュー!じゃあな」
最高にいい気分に浸っている時に、隣に居た金髪中年男の耳触りな声が響いて来た。
『チッ』っと舌打ちしたくなった。
こっちに聞こえるようにわざと大きな声を上げているのが癇に障る。
「華子さん。帰り支度をするので、このまま、ここで待っててくれますか?」
「はい」
タモツは、わたしを腕から解いて、カウンターの端にいるマスターに一度だけ手を上げスタッフルームへと入って行った。

