「それがね。食べ歩いていた先で、偶然同じ男性に三度も遭遇したの。相手の男性も覚えていて、彼がわたしと運命を感じたらしくて……」
同じ食べ歩きのガイドブックを持っていただけじゃないだろうか?
「それで、その彼と、来年、結婚することになったの」
二本目の矢が胸に突き刺さった。
這い上がるんだ……
這い上がるんだ華子……
ここで……
ここで……倒れてどうなる?
「運命といったらやっぱり、保奈美よね」
「ホ……ホナミがドウシタノ?」
「いやだー。由美子ったら。それ、わたしに言わせるつもり?」
じゃあ、言うな。
言わなくていいぞ。
「ほらほら。幸せのお裾わけよ」
そのお裾わけは全て華子に向けてと言いたいんだろ?
自分たちは幸せでお腹いっぱいだから……
「それがねー」
話すんかい。
結局話すんかい。

