時計の針が、日付を越えた。 その時点で差し出されたのは、白い皿に盛られた白手長エビのバジルソース炒めだった。 「小腹が空きませんか?」 確かに、お腹が空いて来た頃合いだった。 こんな出来過ぎた彼の前から離れられない自分がいた。 マティーニ、ギムレット、ホワイトレディ……アルコールの強いカクテルばかりをオーダーしていて、彼が振るシェーカーの音と共に、徐々に記憶が飛んでいった。