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「会長」

「なんだ?」


「なぜ会長みたいな人がこの晴明高校の生徒会長になれたんですか?」



こんなことを真面目な顔で聞いてくるのは副会長の森野葵だ。

葵は顔も名前も女っぽく、
見た目は優しそうだが性格は校則にこだわる
いわゆる『Mr.真面目さん』である。


「葵ったら。

そんなの決まってるじゃない?
投票で選ばれたからでしょう?」


答えたのは書記の平井萌。

葵の幼なじみで葵をコントロールできる(?)
たった一人の人間である。


「そんなことはわかってます。
僕が聞きたいのは、なぜ生徒が会長みたいな人に投票したかです」


こういう人の心を傷つけるようなことを
真面目な顔で聞くことができるのはこの中で
葵しかいないといっていい。



「秋山。

副会長が怒りかけてる。
なんとかしてくれない?」



投げやりに言ったのは会計の加藤美海。


蓮は葵をちらっと見て少し微笑んだ。




「考えてみろ。

お前みたいな奴が生徒会長になったら晴明高校はどうなる?

自由のナいきつーい学校になるじゃないか。



わかったか?」



「..............」