時計の秒針がきっかり二回と半分まわったあと、三人は口を開いた。
「うっそぉ。
あの量を一晩で?」
「すげぇな、お前」
「秋山会長がやり残したモノもやらなきゃいけなかったのにね」
...美海の最後の一言は聞かなかったことにする。
葵が控えめに笑った。
「たいしたことありませんよ」
まんざらでもなさそうだがな。
蓮は横目でのんびりとお茶を飲んでいる葵を睨んだ。
その視線に気づいたのか、葵は小首をかしげた。
「どうしましたか?」
...女にしか見えねぇ。
見ていて悲しくなるほど女にしか見えねぇ。
「...なんでもn」
「そういえばですね、会長」
葵が蓮をさえぎった。
聞いてないし。

