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学校が始まる時間に目が覚めた。


これはいつもどおりのこと。


学校が始まってからでないと目が覚めない。




夕はベッドから起き上がり、
自分の手を見つめた。




懐かしい夢みたな。



翔君はいつも一生懸命で、
いつも笑顔で、
いつも明るくて、
みんなの人気者だった。


反対に私は...。




...なんであの翔君が私に話しかけてくれたんだろう、と夕は思う。



体育館の隅で泣いてる私に話しかけてくれた。





『どうしたの?』



『...なんでも、ない』



『泣いてるじゃん。

オレに話してみ。』





なんで?




『話してもいいことないもん』


翔君、なんで?



『自分じゃどうにもできないんだもん』




『あのさ、どうにもできないって、そう思ってたらさ、

その時点でダメじゃん?』