「…そっか。
なんかごめんね、余計なこと言って。」


瀬川さんの安心した声が、私の心を黒くする。

かなり強い風が、私達の間を通り抜けていった。


「…ううん。大丈夫。」

今、私、普通に答えられていた…?


そう思った時、瀬川さんが、遠慮がちに聞いてきた。


「じゃあ…
中原さんが、戸川君のこと…」

ヒヤリ…
背中に嫌な汗が流れた。

…でもなんで…?


ガチャッ、バァン!!
いいタイミングで扉が開いた。


瀬川さんは、いいかけて、止まった。





蓮が戻って来たのだ──