【完】猫、拾いました。








私の声があおにも聞こえたのか、ハァとため息をついた。





「咲良も蓮も、ほんっと手間がかかるなあ。お兄ちゃんの身にもなって欲しいぞ?ったく。


…咲良、お前はどうしたい?会いたい?」





あお……!!





『会っていいの……!?』






また、みんなに、竜に、会っていいの……?





「咲良が会いたいならね。俺からのお年玉ってやつだよ。」






「たまにはいいこと言うんだなクソ執事」





「クソは余計だ」









そんなの答えはひとつに決まってる。











『会わせて欲しい。』









「ん……蓮ここからは二人で行きな。30分後ここで落ち合おう。上手くいっといてやる。」






あお……!!!
ほんとにほんとに、ありがとう……





『あお、ありがとう、だいすき……』





嬉しくて涙がでながらだけど、あおに向けてにこって笑いながら言った。




「いってらっしゃい。」








少しの間だけど、やっとやっと、あの家に帰れることができました。