【完】猫、拾いました。







side蓮







『………スー……スー……』





すやすやと寝息が聞こえてくる。






……んだよ、これ。





「生殺しってやつか……」





咲良にされるのなんか何回目だよ…





「たしかに…今日は遊園地に…仕事に…」





色々ありすぎたしな…





「ゆっくり寝ろ。んで明日から頑張ろうぜ。」







咲良をベッドに運ぶ。





「ほら、おやすみ。咲良。」






『んっ………』





あはは、こいつ寝言で返事してやがる。





俺はそのまま咲良の隣に腰掛ける。




───ガチャ…




「おう、くそ山。おかえり。」




「おう、負け犬。ただいま。」




『……ん…』





咲良ってば…寝てんのか?起きてんのか?



「はぁぁっ、久しぶりに寝顔見た…」





俺の横に腰掛けるくそ山。




「………咲良様が世話になった。礼を言いたい。執事として……男として。」