こういうのを『嫉妬』って言うんだろうか。
正直、今までこんな気持ちになったことがなかった。
初めての感情に正直戸惑う。



(はー…どうしたらいいんだよ)



そんなことをぐるぐる考えていた時だった。



「お前、今日すごかったな!」



いつかに聞いた騒がしい声がした。



「いやー…あれ完全に俺のせいだし」



声のする方を覗くと夏帆のペアの男だった。



「他の女子がキャーキャー言ってたぞ」

「しらねーよ、そんなの」

「で、どう?進展あった?」

「ねーよっ!つーか何だよ進展って」

「最近お前らイイ感じに息合ってじゃん」

「あー…。ぶっちゃけ俺嫌われてんのかと思ってたんだよね」

「ふんふん」

「でも違ってたみたい。」

「そういうことか」

「で、今日名波さんケガさせて抱き上げたとき思った」

「ん?」

「俺、名波さんのこと好きだ」




(…………は?)




「バカか翔!彼氏いるだろ、3年に」

「関係ねーよ」

「いやいや関係あるよ」

「好きになっちゃったんだからしょうがねーだろ」

「…どうなっても知らないけど俺は翔を応援するよ」



聞かなきゃよかった。
というか、自分のタイミングの悪さにうんざりする。
あいつ、夏帆のことが好きなのか。
夏帆は、どう思ってるんだろう。