オレンジ



「あっつい!」


俺の部屋をノックもせずに入ってくるねーちゃん。


いきなり俺の部屋に入って暑い、ですか。



「クーラーぐらいつけなさいよ!」



ねーちゃんは俺の部屋のいすに座って、クーラーのリモコンを押した。

ねーちゃんはそのまま俺の部屋に居座る気だ。



いや、別に構いませんが…。



そしてたばこをふかし始める。


俺の部屋に、たばこのにおいと煙が漂った。




「あれ?今日はえーりちゃんは?」


「知らね」


「なっにー?あんたらけんか中?」



ねーちゃんは笑いながらばしばしと俺の背中を叩く。

力加減はしていない。



「どうだっていいじゃん」


「よくないよ!」



ねーちゃんはタバコを片手に語り始める。


始まった。

ねーちゃんの、人生相談。