「えーり、次からは気をつける」
俺は2人に背を向けた。
2人がなにかを話していた言葉に重ねて、強く言った。
いつもの笑顔を向けて、前に進んだ。
誤解されたら、困る。
えーりのために、俺のために。
これでいいじゃないか。
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教室に入って、待ち構えていたのは、俺の友達。
どうやらこっそり、さっきの俺らを覗き見していたらしい。
「ふぬーー!またあいつ、えーりちゃんに近づいてぇぇ。
しょーへ、なんで止めねんだよぉ!!」
「誰と話してようが、えーりの自由じゃん?」
「そうだけど。またうわさがぁっ…!!」
「なにそれ」
「あの男とえーりちゃんのうわさだよぅ。……付き合ってるんじゃないかって」

