だからと言ってもさ。

 「あの人」も「あたしだけ」とは限らないじゃん、ミルク。

 混じりっけなく「あの人イロ」に染まっちゃうとね。

 そうやって、へっちゃらで捨てられちゃったりするんだよね。


 オトコはさ「動いてる獲物」が好きみたいだよ、ミルク。

 だからね、きれいに完璧に自分イロに染まったオンナってのはさ、

 オトコにとって

「完成品」であると同時に「中古品」でもあるんだと思うな、私は。



 そしたらまた新品まっさらのオンナに目が行くに決まってるじゃん。

 仕留めて骨までしゃぶった獲物なんてさ、そりゃあんた。

 興味なくなるに決まってんじゃん。なんでそれ、わっかんないかなぁ。



「えーえーそんなの、オトコに失礼じゃない!

 そんな人ばっかじゃないもん。

 それ誤解だよ、ワルいオトコとしかつき合ったことないんでしょう?

 だからそんなふうにひねくれちゃってんのね、かぁいそう、ゼリーちゃ

ん」



 どういたしまして。

 あんたに「かぁいそう」なんて言われちゃったとこが、

 私の最もかぁいそうなとこだな。