「…ねぇ、万里花」
瑠樹が友達と話しに行ってしまうと、未来は少し睨むような目で私を見た。
「瑠樹と何話してたの?」
「えっと、CD…貸してた」
「そんなの私に渡して、私から瑠樹に渡せばいいじゃん」
「でも、私が来たとき、未来まだ来てなかったし…」
「だったら別に朝渡さなくたっていいじゃん。放課だっていいでしょ?」
「…そうだね。ごめん。これから気をつけるね」
「…そうして」
そう言って、未来は自分の机の方に行ってしまう。
私は目を伏せて溜め息をつく。
…未来、ごめんね。
私やっぱり好きだから、つい話しかけたいって思っちゃうんだ。
不安にさせてるってわかってるよ。
ごめんね。
…言えないけど。
私はまた、そっと溜め息をついた。