「えっと、ここを右に出て、信号を左。二つの信号を過ぎて左側のマンション」



「あぁ、はい。わかりました。はい、朝食です」



「あ……ありがとう。いただきます」



 今朝、彼女が寝ている間に作ったおにぎりと卵焼き。



 大したものではないけれど、彼女は気に入ってくれたようだ。



 おにぎりを一口食べて、僕の方を驚いた顔をして見た。