「ん」



 スッと差し出した右手が触れた。彼女が、びくっと反応したのが分かった。



「え、あ、ありがとう。拒否されるかと思ってた、嬉しい」



「解きたかったら解いて」



「いやいや! ってか敬語じゃないね、ありがとう。……なんか恋人みたい……」



 そうかもしれない。まあ、違うけど。



「うん。じゃあ僕は寝る。おやすみ、優美」