寝室のドアにもたれていた僕の手をとって、彼女はベッドの中に僕を押し込んだ。



「痴漢なんて言わないよ。むしろ私が寝相悪くて痴漢しそう」



「……そうですか。じゃあ僕は本当にここで寝ますよ?」



「うん。電気消すね。…………あ、ねぇ、怜って呼ぶからさ、怜も優美って呼んでタメ語にしなよ! てか手繋いで寝よ?」



 ……早く寝たい。早く寝させて。
 もう優美でも水島でも何でも良い。僕は寝る。