それから数日後。



 あの泣いていた子が、お昼休みに僕を訪ねてきた。



 呼び出された僕を早川先輩にはニヤニヤしながら見送ってくれた。学生の告白呼び出しみたいだな、なんて言いながら。



 僕らは自販機前のベンチに腰をおろした。



「ハンカチ、ありがとうございました。あの、これ」



 綺麗にラッピングされた僕のハンカチ。返されてしまった。



「ああ、すみません。ありがとうございます」



「いや。私の方こそ」