「それと、スーツは僕が脱がせました。スウェットに着替えさせたのも僕ですね」



「…………え」



 床を見ていた目が僕の方を向き、驚きで見開かれている。



 僕も脱がせることには躊躇したけれど、翌朝の事を考えれば優先すべきことだった。



 スーツがしわくちゃじゃあ、可哀想だろうと思って。