うん。行ったわよ。 「りょうくんのバカァー…」 「琴子だって気持ち良さそうにしてたけど」 「う、ちがうしっ……!」 彼の言葉に頬が熱くなった。 もう、次の電車に乗るしかなさそう。 ホームルームには確実に間に合わないけど、しょうがないか……。 「じゃあ、送る」 「え?」 「ちょっと待っててね」 私の頭を撫でて、彼はリビングに引き返して行く。 ぼーっと玄関に立ち尽くしていると、 「お待たせ、行く?」 ゆるめのカーディガンを羽織った彼が車の鍵を持ってやって来た。