それからは、取り留めのない話をして。 車が校門の少し手前に止まる。 「ちょっと待ってて」 涼くんは運転席を降りると、私の方に回ってドアを開けてくれた。 執事さんって、こんな感じなんだろうか……。 平凡な私にはそれくらいしか考えがつかない。 お礼を言って、車から降りる。 校門へと歩いて向かっている、私と同じ制服の人たちがこちらをチラチラ見ていて、私は少し俯いた。 そりゃ、そうか……。 こんなカッコイイ年上の男の人が、 平々凡々も良いところの私をお嬢様扱いしているのだ。