浅緋のバカ、アンタは何にも分かってない。
階段を下る、貴方を呼びとめて私は叫んだ。
「アサヒのバカ~
こんな時はね、ただ黙って
抱きしめればいいんだよ
ただの、マリッジブルーなんだから」
「付き合ってられるかよ
こっちがブルーな気分だ」
ドタドタドタッ・・・
階段を勢いよく駆け下りる私を、貴方はその腕で抱き留めてギューって強く抱きしめてくれた。
「ブルーな気分ってことは
アサヒ、悲しいの?」
「ああ、さっきまでな」
「今は?」
「お前の答えに寄っては・・・
でっ、どうすんの結婚?」
「もちろん、するよ」
階段の途中で抱きしめ合って微笑む二人を、見ている人が居る事に貴方も私も気づかない。


