アカイ花†Vermilion Flower


「リコ?」


浅緋はゲームを途中で放置して、私の傍にきてくれた。


「アサヒ、あなたと結婚したら
 私はこの部屋を出て行かなきゃ
 いけない

 ママやレイと別れなきゃいけない
 
 それなら、結婚なんてしない」

「リコ、どうした?

 俺の話を聞いて
 
 おばさんやレイと別れる事
 なんて無いさ
 
 家族は何があってもずうっと
 家族だろう?

 血は、永遠に繋がってる」


貴方は、落ち着かせようと私のことを抱きしめた。


「ううん
 そんなこと言ってるんじゃない

 私はここに居たいの、ずうっと」


浅緋の胸は温かくて、私はいつも心から安らげるはずなのに、今日の私はその温もりを遠ざけたくて貴方から距離を取った。