アカイ花†Vermilion Flower


それなのに、おばさんが選んだドレスは、スカートがふわふわ何重にも膨らんで、裾がレースでヒラヒラしてる。フリルもリボンもいっぱい。

これはこれで可愛いデザインだけど、何だかとっても子供っぽいの!

私が思っていたイメージと、100パーセント間逆!

私は胸元にキラキラと輝きがあれば後はシンプルで良かったのに。


結婚・・・それは、双方の家が一つになる事、じゃない。


相手の家に、この私が吸収されるってこと。

ママとレイから、離れていかなきゃいけないということ。


私の家族は、浅緋と浅緋のお兄さんと、浅緋の親御さんになる。

どよーんと重苦しい、憂鬱な気分・・・


久しぶりに私の部屋に訪れた浅緋は、いつものようにラグにうつ伏せになってゲームをしている。

私の大好きな空間に、大好きな貴方が居る。

ゲームに夢中な貴方に、私は聞こえるか聞こえないかぐらいの声でぽつり呟いた。


「結婚
 
 したくないかも・・・」