アカイ花†Vermilion Flower


「リコ、疲れたよな?
 
 俺なんて自分の家なのに
 疲れたぜ

 そうだ、ドレスの件だけど
 うちの親には話さなくていい
 
 口挟まれちゃすぐ決まるもんも
 決まらないだろうから」

「いいのかなぁ~
 
 ・・・・・・
 
 でも、やっぱり呼ぼうよ
 
 私のお母さんも、ドレス
 見たいと思うし・・・

 ねっ、そうしよう」

「ああ
 リコがいいなら俺は別に
 
 じゃあ、そうしよう」


ドレス選びは結局、私も母も遠慮して言いたいことも言えないまま、おばさんの鶴の一声で決まってしまった。

九歳も年上の浅緋と並ぶんだもの、大人っぽいシックなデザインのドレスが着たい、少しでも落ち着いたレディーに見えるように。