アカイ花†Vermilion Flower


私ではない女性と、貴方はデパートに来るの?

一緒に、彼女の手料理を食べるの?


「リコ

 今日は、休みだったの?」

「先生?」


私のいずるさんに、微笑みかける彼女。

お惣菜なんて、もうどうでもいい。

賑わうこの場所に居るのが、嫌。


「ああ、彼女は・・・

 リコ、どうした?待って」


気がつくと、私はその場から逃げ出していた。

ほんと、失礼な話だよね。

デパートの中、急ぎ足で歩く私の腕を掴んだ貴方は言う。


「リコ、待てよ

 誤解するなよ、彼女は

 ・・・・・・」


自分の生徒だと言えない貴方の手を私は振り解き、立ち止まらずに前へと進む。


「リコ、どうした?」