「紫藤先生、遠慮しないでくださいよ
私達の仲じゃないですか」
やっぱり、いずるさん・・・
二人が、こちら側を見そうだったから、私はサッと向きを変えた。
こちら側は、おいしそうな揚げたてのてんぷらが並ぶ・・・
「いらっしゃいませ
何になさいますか?」
「ごめんなさい
まだ、見てます」
どうして、平日のこんな時間にいるの?
しかも、こんな場所に女性と・・・
『私達の仲って、何?』
私はまた、二人の事が気になって見つめる。
彼の腕に触れる、綺麗な女の人。
「ところで、先生、学校は?」
「ああ、今日は、創立記念日で休みだ」
休み・・・ああ、そっか!
いずるさん、今日は休みだったんだぁ、知らなかった。


