アカイ花†Vermilion Flower


「リコさん、ごはん粒が
 ついてますよ
 
 ここに」


「えっ、うそっ

 はしたない・・・」


私は自分の唇を、ハンカチを使ってさっと拭いた。

その仕草を見て、彼は笑った。


ゴホゴホッ、ゴッホン・・・


私は、彼のその笑顔を見て咳込んでしまう。


「無理はなさらないで下さい
 
 私は、ガツガツ御飯を食べる女性も
 魅力的だと思いますよ」


微笑む大人な彼に、何をやって見せたところで仕方がない。

そう思った私は、お箸を置き、グラスのお水を一度に飲み干してから、彼に正直に話すことにした。

母は、席を立つ。


「ごめんなさい

 お見合いの場で言うことでは
 ありませんが、私は貴方とは
 お付き合いをすることも
 結婚することも、考えられません」