「本当の事だもん」
「では、今日は食は進みませんか?」
私の前には、そんなに手が付けられていないお膳が置いてある。
彼は案外、目敏い人だ。
「いえっ、これから
食べようと思ってるんです!」
私は、お膳にある料理をがっつくように食べた。
料理とは、ひとつひとつ目で見ては味わって食べるもの。
それを、着物姿でガツガツと食べる私の事を、きっとこういうタイプの人は嫌うはずだわ。
そうそう、もっともっと頬張らなきゃ。
「これっ、リコ
そんなに一度に頬張らなくても・・・」
母が何を言っても、私はこの行為をやめるつもりはない。
態度を改めようとしない私から、母は呆れた顔をして目を逸らした。
私のこんな浅はかな考えは、母だけでなく、彼にまで読まれていた。


