「何それ・・・」
「お前は昔から自分の想いを
殺して何でも人の為に頑張る
悪い癖がある」
急に真剣な顔をして、貴方は何を言い出すの・・・?
「悪い、癖?」
「ああ・・・
お前はそれに気づいてない」
遠い昔・・・
あれは、父のお通夜の日・・・
私が忘れていた記憶を、貴方がちゃんと覚えていてくれた。
座布団にちょこんと正座して座る少女は、ただ、ひたすら、白と黒の模様、鯨幕(くじらまく)をボーっと見つめていた。
その隣で、嘆き悲しむ母と妹を見る事はなく。
貴方は、少女の隣に座った。
「リコ、泣きたいなら泣けばいいんだぞ
お前だって、まだ小さい・・・」
「ううん、リコは泣かないよ
ママやレイが悲しむから
リコは泣いてらんないよ」


