「えっ、先生に言われなくても
分かってる!」
「それなら、よろしい
じゃあ、気をつけて帰りなさい」
長い髪を揺らして歩く生徒の後ろ姿を、貴方は優しい眼差しで見つめてる。
生徒は・・・私の妹・・・
『レイ』、学校内でそんな風にレイの事を貴方が呼んでいるだなんて私は知らなかったよ。
普段と変わり無く学校でも、貴方はあの子をレイと呼ぶ、あの子は特別・・・
そんなこと分かってたよ。
あの学校の中に、もう私の居場所が無いように、貴方の中にも私の居場所は無いんだよ。
この時、私が感じた気持ちを今思い出しても、私の瞳から涙は流れゆく。
幼い私達は、言うの・・・
『リコはね、アッちゃんのこと
だぁ~いすき♪』
『レイも、アッちゃん
だぁ~いすき♪』
『リコはね、アッちゃんのカノジョ
になりたいの』
『リコちゃん、カノジョってなに?』


