バタンッ!

「ワッ!…ビックリした」

・・・

玄関が勢いよく開き、

勢い良く締まると、

智也は私の前に無言で近づき、

手を握った。

・・・

「エ、あの、先輩?」

アタフタする私。

・・・

「遅いから家まで送る」

無表情のままそう言った智也は、

私の手を引いて歩き出した。

・・・

何の会話もされないまま、

どんどん歩いていく智也。

・・・

智也は、さっきのキス・・・

何とも思ってないのかな?

・・・

そう思うと、

なんだかちょっと寂しい・・・

・・・

初めてのキス・・・なのに、な。