「もしもし?」

『先輩』

?!

涙声で、しかも少し震えた声の

寧々。


「どうした?

今どこにいる?

今すぐ行くから、場所教えろ」



オレは寧々をせかした。


『…家』


「…家?

こんな時間なのに、両親はいないのか?」


『・・・うん。

1泊で、夫婦水入らずで旅行に・・』


「・・・はぁ?

と、とにかく、家に行くから、待ってろ?」


『…うん』

携帯を切るなり、

オレは自宅を飛び出した。

一分、一秒でも、

早く寧々の所に行きたかったから。