クールな王子は蜜の味

その低い怒声に、

私も智也もそちらを向いた。

・・・

その声は、学君。

学君の顔は、怒ってた。

「彼氏だか何だか知りませんけど、

寧々が怯えてますよ?

見ててわからないんですか?

オレが知ってる寧々は、

いつもニコニコ笑ってる、

笑顔の素敵な女の子のはずなのに・・・

こんな顔した寧々を、初めて見た。

彼女を傷つけないでください」

・・・

学君。

「君には関係ない・・・

オレは寧々に話がある」

・・・

智也も引き下がろうとはしない。

・・・

智也はズルい・・・

私を求める時ばかり、『寧々』って呼ぶ。

・・・

いつもはチワワって言って、

私が何度名前で呼んでくださいと言っても、

呼んでくれないくせに・・・