クールな王子は蜜の味

「気にすんなよ?

オレが送ってあげたいだけだし。

ほら、いこ?」


「…うん、ありがとう」

・・・

私が微笑むと、

学君もとっても嬉しそうに微笑んだ。

・・・

家の近くまで来て、

私の足はピタリと止まる。

・・・

そして無意識に、

学君の後ろに隠れ、

学君の服の裾をギュッと握った。

・・・

「どうした、寧々?」

「・・・」

・・・

不思議そうに首を傾げながら、

学君が尋ねる。

・・・

「…寧々」

私の名を呼んだのは、


「寧々の知り合い?」

「…彼‥氏?なのかな・・・」

私の言葉に、学君の顔がハッとする。