「・・演技?」


「寧々には悪いコトしたけど、

後で必ず言い訳できる。

でも、お前を放っておくことはできなかった。

本気でお前を怒る姿なんて、

好きな女には見せられないからな?」


そう言ったオレの顔は、

笑顔なのに、

かなり恐怖感タップリだったに違いない。

だって、

夏果の顔が、

どんどん青ざめていくんだ…

よほど怖かったんだろう。

まぁ、オレを本気で怒らせるコイツも悪いけど。


「・・・で?

その涙の演技をした理由は何?」


「そ・・それは」


「早くしないと、

オレ、限界なんだけど?」


?!・・・

「智也が・・・

智也が好きだったから!

ずっとずっと、ただの幼なじみで、

私を一度だって女の子として見てくれなかった。

あんなボケた子のどこがいいわけ?」