クールな王子は蜜の味

智也の隣に、

私がいないみたいに、

二人の世界に入ってる智也と美人。

・・・

胸が締め付けられるほど苦しいのに、

何も言えない私って、

どれだけ臆病なんだか・・・

・・・

「夏果、今日夕方来るんだろ、道場?」

相変わらずの笑顔で智也が言う。

・・・

「うん、最近忙しくて休みがちだったけど、

今日からまた本格的に始めるから、

宜しく・・・

所で、その隣にいるの、誰?」

そう言って私を上から覗き込む美人、

いや、夏果。

・・・

やっと思い出したと言わんばかりの智也の顔に、

今にも泣き出してしまいそう。

・・・

「これ、オレのだから、

苛めんなよ?」

「・・・へ~。

あの智也がねぇ・・・」

私をチラチラと見ながら、

不敵な笑みを見せた・・・

止めてよ夏果、その笑い方。

何を企んでるの?