一瞬、係長が何を言ってるのか解らなかったけれども、言われるがままに社名を答えた。
「高橋脳研工業株式会社……です……けど。」
困惑する私に係長は、ふうと一呼吸ついてからこう言った。
「君が消しちゃったのはね、君の記憶の一時保存ファイル。でも消えたのがそれだけで助かったよ。後でメモリー足しておくから。今日は自分のデスクに戻って、明日また起動しなさい。」
係長はまた、儚く微笑んだ。
私は係長の事が好きだなぁと思いながら、はいと返事をしてオフィスに戻り、人間なら敏感な場所にあるボタンを押して主電源を切った。
キューンという微かな音を聴きながら、
明日も私は係長を好きでいたいと思った。
「高橋脳研工業株式会社……です……けど。」
困惑する私に係長は、ふうと一呼吸ついてからこう言った。
「君が消しちゃったのはね、君の記憶の一時保存ファイル。でも消えたのがそれだけで助かったよ。後でメモリー足しておくから。今日は自分のデスクに戻って、明日また起動しなさい。」
係長はまた、儚く微笑んだ。
私は係長の事が好きだなぁと思いながら、はいと返事をしてオフィスに戻り、人間なら敏感な場所にあるボタンを押して主電源を切った。
キューンという微かな音を聴きながら、
明日も私は係長を好きでいたいと思った。
