数回のコールの後に、少し低いけれど聞き慣れた陽気な声が続いた。 『もしもし?』 相手が分からないからか、少し不審そうに向けられた声。 「……津村?千晶だけど。」 『ちぃちゃん!?本当に電話くれたんだ!』 大袈裟なほど嬉しそうな津村がなんだか可愛くて、つい笑ってしまいそうになる。 『俺の声が聞きたくなった!?』 「馬鹿。」 私と津村は少し笑った。