「最初はやっぱり千尋に似てたから気になって、それで話かけたんだ。」


私の反応を気にしているようなので、“大丈夫”の意味を込めて握った手にキュッと力を入れる。

安心したように、また津村は言葉を繋ぐ。


「信じられなかったな。だって何から何まで千尋そのものだったから。」


そうだよね。
亡くなった恋人が目の前に現れたら、誰でも動揺する。


「お姉ちゃんが死んでからも、津村は好きだったの?」


静かな空間に落とすようにぽつりと問う私。