「おじいちゃんは、頭が悪いからうまくは言えないんだけどね、 ツナ子、人は変わるよ。子どもだけじゃなくて、大人も成長していくし、飽きる時もある。 生き方や考え方や、好み方も、変わらないものの方が無いんだ。 そうした時に、唯一残るのが良心だと思うんだよ。暖かい血がある事を、信じるんだよ」 祖父に対しての記憶は、外から帰って来たばかりの、冷えたセーターの匂いだ。 働き者で、文句も言わない、唯一の正義の大人。 気が付いた時には身体を壊し、ツナ子が幼い内に亡くなった。