「健一!見つかったか?」
病院に入るなり、健一に詰め寄った。
「いや、まだだ」
「チッ……捜してくる………」
俺は傘もささずに外へと飛び出した。
愛依………
俺が帰ってから何があった?
さっきまで笑ってたじゃねぇか………
その笑顔は……嘘だったのか……?
本当は、辛かったんじゃねぇのか……?
「ああ゛ーー……クソ!!」
見つからねえ……
少し立ち止まって考えた。
愛依はこの街を多分知らない。
だから、そんな遠くに行ってるわけがねぇんだ。
っ!!
俺は思い出したように、あるところへと足を向けた。
俺達が最初に出会った、あの場所へ……………
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