病院に着くと女は病室のベッドに寝かされ、診察された。
どこも異常はないみたいだ。
「この子、どうしたんだ?」
聴診器を首に掛けながら、健一が聞いてきた。
「知らねぇよ。
公園に倒れてたんだ」
「へぇ……お前が人助けをね……
てっきり遊びの相手かと思った」
健一は、俺のことはだいたい知っている。
女遊びをしてることも、家のことも………暴走族の総長だってことも………
「俺も最初はその(遊ぶ)つもりだった……けど………」
無理だった………
「ふぅん……やっと……お前にも………」
と、いきなり変な事を言い出す健一。
「やっとって……何がだよ…?」
「そんなん、自分で気付けや」
そう言って教えてはくれなかった。
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