最初は、抵抗していた祥も今は、されるがままだ。
このままじゃ……
そう思っても、体が動かないわたしには、止めることが出来ない。
「き、らくん………ダメ……やめて……」
さっきは、届いた声も今は、届かない……
どうすれば………
早くしないと……死んじゃう………
わたしは、力を振り絞って体を起こした。
力が……入らない……
歩くことは、出来ないけど………手が少し動くから………
「絶対……ゆるさねぇ!!」
わたしは、ベッドから落ちて、腕だけを使って、煌くんの元へと向かった。
だけど……思うようには……進まない。
たった数メートルなのに……全く辿り着く気配がない。
「きら、く……」
ダメ……ダメだよ……
お願い………その手を汚すことは、やめて……
優しいその手を……わたしを救ってくれた手を……周りの人を守れる手を……
優しい……煌くん自身を………
お願い………やめて………