「ねえ、それをする理由って、知ってる?」
いまだに、固まっている篤斗くんに質問をした。
「あっ…え!?理由…?
そんなの決まってるじゃん」
やっぱり…知ってるんだ。
向かい側のソファーに座っている龍くんもわかっているみたいで、呆れたように溜め息をついている。
別に、呆れなくてもよくない!?
わたしは、声に出したい気持ちを堪えて、篤斗くんに目を向けた。
「一つは、鬼翠のため。愛依ちゃんは、鬼翠の姫だから……
もう一つは……多分、きーくん自身のためかな?だから、理由を言わないんだと思うよ」
煌くんのため……?
「どうしてわたしに付き添うことが、煌くんのためになるの?
面倒が増えるだけじゃない?」
「あー、それはねぇ~……
言っていいかわからないけど、きーくんが愛依ちゃんのこと「おい、篤斗……」」
篤斗くんが、話をしていると口を挟んできた煌くん。
いつの間に戻って来たの?



