恋する*memory〜記憶をなくしたわたし〜【完結】




「ねえ、それをする理由って、知ってる?」



いまだに、固まっている篤斗くんに質問をした。




「あっ…え!?理由…?
そんなの決まってるじゃん」




やっぱり…知ってるんだ。


向かい側のソファーに座っている龍くんもわかっているみたいで、呆れたように溜め息をついている。




別に、呆れなくてもよくない!?




わたしは、声に出したい気持ちを堪えて、篤斗くんに目を向けた。




「一つは、鬼翠のため。愛依ちゃんは、鬼翠の姫だから……
もう一つは……多分、きーくん自身のためかな?だから、理由を言わないんだと思うよ」




煌くんのため……?



「どうしてわたしに付き添うことが、煌くんのためになるの?
面倒が増えるだけじゃない?」



「あー、それはねぇ~……
言っていいかわからないけど、きーくんが愛依ちゃんのこと「おい、篤斗……」」




篤斗くんが、話をしていると口を挟んできた煌くん。



いつの間に戻って来たの?