それから毎日、わたしと煌くんは中庭で会っている。
幸い、雨の日は一回もなかった。
それに、わたしは外に出ることがないから、良い気分転換になっている。
わたしには、会いに来てくれる人もいないから、煌くんが来てくれることで、その淋しさが和らいだ。
煌くんと過ごす時間は会話は少ないけど、楽しい。
煌くんは不思議だ。
一緒にいると、落ち着くし、安心できる。
今日も中庭で、マッタリと過ごしていたんだけど………
「あっ雨……?」
ぽつぽつと雨が降り出した。
「中に入れ」
煌くんに言われ、答えた。
「あ、うん。煌くんは?」
ベンチから立ち上がったものの、その場から動こうとしない煌くんに不思議に思い、聞いた。
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