恋する*memory〜記憶をなくしたわたし〜【完結】




「麻凛……っ!」



わたしが顔を上げて立ち上がると、ビショビショにも関わらず、麻凛が抱きしめてきた。





「麻凛……濡れちゃうよ……」



「うるさい、ばか!
なんで……なんで、こんなになるまで、言わなかったの!?」



「だって……心配……かけたく、なかっ…た、から」



「何よそれ!」




麻凛は、体を離し怒った顔でこっちを見た。



その時、ちょうどチャイムが鳴った。




「はあ………とりあえず、保健室に行くよ」




わたしは、麻凛に連れられて保健室へと向かった。





「先生、制服濡れちゃったー」



「えっ?……あらあら」




保健室に入り、麻凛がそう言うと、わたしを見て、ほんとに、と呟いて棚をあさりだした。