「ふ〜ん………」
大丈夫……怪しまれてない。
「暇人だな」
「は?何よそれ!」
画鋲を刺し終わったわたしは、龍くんのお腹をグーで殴った。
「うわっ!いって〜……暴力女」
「うるさい!
もう、先に行くからね!」
龍くんに背を向けて、歩き出した。
自然に自然に……と、自分に言い聞かせながら歩く。
「あ、おい。待てよ」
龍くんがそう言ってたみたいだけど、痛みを我慢するわたしの耳には、届かなかった。
「おはよ!愛依!」
教室に着くと、麻凛がもう来ていた。
「麻凛、おはよう」
わたしは、麻凛に挨拶をして席に着いた。
「愛依?なんかあった?」



